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トウジンビエの塩茹で~マルーラとともに~

料理名(日・英・現地語)


Misango (ミサンゴ;サンダウェ語)
トウジンビエの塩茹で マルーラとともに(日本語)

食されている国や地域


タンザニア共和国ドドマ州コンドア県

この料理って?


トウジンビエという雑穀を煮るだけのとてもシンプルな料理だが、マルーラがないとミサンゴは食べられないといわれ、ウルシ科の樹木マルーラ (Sclerocarya birrea) の種子のなかの、仁と呼ばれる部分を一緒に食べるところがこの料理のポイント。シンプルなトウジンビエの甘さとプチプチとした食感に、マルーラの仁のナッツのような油分が加わり、とてもおいしい。

材料 


トウジンビエ


マルーラの仁



調理手順


1) 大きな鍋に湯をわかし、トウジンビエを煮る。
2) 乾燥させたマルーラを半分に割る。
3) トウジンビエがやわらかくなったら、鍋を火からおろし、汁ごと器によそい、塩をふる。
4) 3)を口に入れた後、2)で割ったマルーラの仁を細い枝でほじり出して口に放り込み、食べる。

※マルーラを乾燥させてから利用するのは、熟したものだと果汁があふれるからだろう。


フィールドメモ


サンダウェという人びとは、トウジンビエを多用する。製粉して練り粥にしたり、粗く搗いたものを煮て発酵させて飲料にしたり、酒造りにも用いる。そのなかでも、製粉や搗く必要がないミサンゴは、もっとも手のかからない料理だ。また、ミサンゴをうたった歌があり、その歌は、サンダウェな誰もが知る非常にポピュラーな歌だ(詳細はエッセイ「歌にこめられた食へのこだわり」)へ。
マルーラは、仁だけをおやつのようにして食べることもある。一度、私が村を離れるときに、「道中おなかがすいたら食べなさい」と、半分に割られたマルーラと、仁をほじり出す棒をセットで、餞別にくれた友人がいた。
トウジンビエもマルーラも、日本ではなかなか手に入らないが、ぜひ、アフリカの乾燥地で試してみてほしい。

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トウジンビエ

写真2
マルーラの仁(白い箇所)と仁をほじり出す棒

写真3
ミサンゴをまねて、トウモロコシとインゲンマメを煮たものにもマルーラを添えて

紹介者による関連エッセイ


歌にこめられた食へのこだわり

紹介者:八塚春名